あなたのフックにもしイトウがヒットしたら?

2006、2009、2017/10/16

2009年6月5日、本田哲也さんが尻別川で釣り上げた標識つきのイトウは、体長約50cm。本田さんからのメール情報で、放流魚が健康に成長していることが確認されました。この個体は本田さんによって素早く慎重にリリースされました。

撮影:本田哲也さん


イトウ2006年3月5日、尻別川で釣り上げられた95cmのこの個体は、釣り人の佐々木賢さんの通報で、元気な状態でオビラメの会蓄養池に搬送することに成功しました。

撮影:佐々木賢さん


尻別川のイトウ保護を願う皆さんに、情報提供のお願い

「オビラメの会」は、尻別川産の野生イトウを保護・復元するために役立つあらゆる情報を集めています。

 当会が尻別川支流の倶登山川流域に放流したイトウの稚魚たちのうちの1匹が、2009年6月、約50cmに成長した姿で釣り上げられました。放流魚には、ヒレの一部を切り取るなどの標識をつけられており、釣り師のみなさまからのこうした発見情報は、イトウ復元のためにとても役に立ちます。みなさまが尻別川で釣りをされるときは、ぜひご協力をお願いします。

オビラメの会のモニタリング活動


あなたのフックに、もしイトウがヒットしたら

 尻別川のイトウはいま、絶滅寸前です。あなたが一匹を殺す(キープする)ことが、尻別川に残る群れ自体の存続に重大な影響を及ぼすほど、事態は深刻だと私たちは考えています。釣り上げたときには、すみやかにリリース(再放流)して下さい。幼魚・成魚の区別はせず、どんな個体もリリースして下さい。

 リリースのさい、もしバーブレスフック(カエシのない釣り針)を使用していれば、手早くフックを外すことができるので、イトウにかける負担が軽くて済むはずです。イトウが喉の奥深くにフックを飲み込んでしまっていたら、無理に外そうとせず、なるべく早くハリスを切断してそのままリリースして下さい。フックはたいてい自然に抜け落ちます。

 なお、釣り針にかかったイトウがリリースされた後、どれだけの割合で生き延びるかについては、北海道立水産孵化場が調査を進めているところです。

(外部リンク)北海道立水産孵化場「アンケート調査にみる猿払川下流でのイトウ釣り」(『魚と水』45巻3号)


「抱卵親魚」が釣れてしまったら

 産卵直前のメスのイトウが釣れる場合がまれにあります。ランディングネットの中で、あるいは引きずり上げた岸辺で、魚のおなかからタマゴがポロポロとこぼれ出してきたら、とりあえず容器(弁当箱やルアーボックスなど、何でも結構です)に入れて、日陰に置いて下さい。水は入れないで下さい。釣れたイトウはリリースして下さい。腹から卵を無理に絞り出したりする必要はありません。

 イトウの成熟卵は、サケのイクラをやや小ぶりにした大きさで、だいだい色をしています。

 このように確保された卵は、イトウを人工繁殖させるための重要な「遺伝資源」になる可能性があります。どうぞ下記連絡先までご一報下さい。「オビラメの会」はすでに、北海道立水産孵化場と連携して、尻別川産イトウの精子を凍結保存するなどしています。


イトウ稚魚を見分けるには?

オビラメレスキューカードオビラメ・レスキューカードをご活用ください。


情報をお寄せ下さい

 尻別川の野生イトウを保護するためには、イトウの生息場所を守ることが欠かせません。イトウが釣れたり、イトウを目撃したりした場合は、どうぞ「オビラメの会」下記連絡先まで、情報のご提供をお願いします。過去の情報も大歓迎です。

 みだりに公開すると、さらなる乱獲につながる恐れが強いことから、「オビラメの会」は、お寄せいただいた情報を厳重に管理することをお約束します。なお、お寄せいただいた情報にもとづき、何かの保護対策をたてるさいには、情報提供者に直接ご報告します。


電話 090-8279-8605 オビラメの会事務局 川村洋司