3年ぶりに人工授精に成功しました
2007/5/20、2017/10/17
めすの「ノリカ」から
「尻別川の未来を考えるオビラメの会」(草島清作会長)は2007年5月20日、北海道倶知安町内で飼育中のイトウ親魚の採卵作業に臨み、2004年以来、3年ぶりに尻別川産イトウ=オビラメの人工授精に成功しました。
飼育中の親魚5個体のうち、採卵に成功したのは、体長約90cm、体重約8kgの「ノリカ」。2000年11月4日に、会員の高橋秀邦さんが尻別川で釣り上げ、飼育池に移送して、ずっと大事に飼育してきましたが、今回初めて、抱卵が確認されました。
この日は、北海道立水産孵化場の川村洋司主任研究員らが、麻酔で眠らせた「ノリカ」から慎重に採卵。絞り出したオレンジ色の卵をボウルに受け、続いて採取した「チビ」(おす)の精子とすばやく混ぜ合わせて授精させました。(下の一連の写真)
川村さんの計測によれば、卵数は3278粒。順調にいけば、7月には稚魚が孵化する見込みです。
撮影/松枝直一氏
6月28日から29日にかけて、授精卵からの孵化がほぼ完了しました。7月2日現在の授精卵のようすは以下の通り。
生卵(発眼卵)2844粒
孵化数 約2800匹
孵化率 約85%
7月下旬、「浮上」が完了し、少しずつえさを食べはじめました。8月6日現在の体長は約3センチです。
尻別川産イトウ個体群(オビラメ)復元のための稚魚放流についてのお知らせ(2007.8.27)