北海道イトウ保護フォーラム2002 in ニセコ「いま、イトウが危ない」

2002/10/13, 2022/01/05

「北海道イトウ保護フォーラム2002」は約130人のご参加をえて、成功裏に閉幕しました。ご来場いただいたみなさま、ご協力いただいたみなさま、たいへんありがとうございました。フォーラムの模様は下記のリンクをご利用ください。


フォーラムの目的

日本列島では北海道にのみ生息するイトウ(サケ科)は、その豊かな自然生態系の象徴的な存在です。ところが最近の研究によれば、道内のイトウ生息地はまさに風前の灯火という状態であることが判明しました。本フォーラムは、そんなイトウを保護していくことの大切さを、研究者や保護グループ、イトウ釣りファン、さらに一般参加者も交えてお互いに情報交換しながら学び合い、地元・尻別川をはじめとする全道のイトウ保護活動を推進することを目的にしています。

イトウが豊かな自然生態系の象徴だというのは、単なる比喩ではありません。成長すれば体長1メートルをゆうに越えるイトウは、生態系を構成する生き物たちがつくる「食う・食われる」のピラミッドの頂点に君臨しており、そんなイトウの存在は、生息地の自然生態系の豊かさの証明にほかなりません。またイトウは、川の源流に近い最上流部で生まれ、徐々に川を下りながら成長を遂げ、ある時期は河口域から海にまで泳ぎだします。ところが繁殖期を迎えるとまた上流を目指し、自分の生まれた最上流部で繁殖します。河川改修工事により川が寸断されれば、イトウはうまく世代交代できません。川の環境破壊が問題視される昨今、イトウの存在は生息河川の健全さをも証明しているのです。イトウ保護活動は、単にイトウという1種の生物を守ることにとどまらず、イトウを含む生物群集を守ること、さらにはその生物群集をはぐくむ自然環境のすべてを守ることと同義なのです。

ところがイトウの生息地は全道でどんどん狭まり、数少なくなった生息河川の中でも、イトウにとって安泰といえる川はほとんどありません。北海道レッドデータブック(2001)は「絶滅危機種」に指定しました。とはいえ、イトウに対する人々の関心は、釣りファンを除けば一般に低く、保護対策はほとんど進んでいないのが実状です。このままではイトウは絶滅を待つばかりといっていいでしょう。

イトウは、地元にとってかけがえない財産であると同時に、北海道民にとって、日本国民にとって、ひいては地球に暮らすすべての人にとって、かけがえのない宝ものです。この宝ものを将来にわたり保護することは、国際的な責務といっていいでしょう。

北海道のイトウ保護に大きな弾みがつくことを願って、本フォーラムを開催します。

プログラム(予定)

13:00 開会 開会宣言 「尻別川の未来を考える オビラメの会」代表 草島清作
13:15 特別講演 ビル・ウァーリン氏(パタゴニア日本支社長)「我が社がイトウ保護を援助する理由」
13:45 休憩
14:00 研究報告 川村洋司氏(北海道立水産孵化場)「今、イトウ資源がどうなっているか知ってますか?」
江戸謙顕氏(学術振興会科学技術特別研究員)「希少種イトウの保全生物学」
15:30 パネルディスカッション 「だれがどのようにイトウを守るのか」
パネリスト/B.ウァーリン氏、中南裕行氏(朱鞠内湖淡水漁業協同組合副組合長)、梁田徳雄氏(猿払村商工会青年部部長)、川村洋司氏、江戸謙顕氏、草島清作ほか
17:00 「イトウ保護のための宣言」発表
閉会のごあいさつ 草島清作
18:00 懇親会 どなたでもご参加いただけます(会費1000円=予定)

同時開催

稗田一俊氏(写真家、ビデオジャーナリスト)「知られざるイトウの生態」(仮)ほか

▼フォーラム前日の10月12日午後3時より、「ペンションベラリー」にて、「北海道イトウ保護連絡協議会」(仮称)の設立会を計画しています。


名称 北海道イトウ保護フォーラム2002 in ニセコ「いま、イトウが危ない」
主催 尻別川の未来を考えるオビラメの会
日時 2002年10月13日(日曜)午後1時開会
会場 ニセコ町民センター(虻田郡ニセコ町字富士見)
入場 無料(お申し込み不要です)
特別協賛 パタゴニア日本支社
協力 猿払村商工会青年部、斜里川を考える会、朱鞠内湖淡水漁業協同組合
後援(順不同) NPO法人しりべつリバーネット、エコ・ネットワーク、北海道淡水魚保護ネットワーク、蘭越町、倶知安町、ニセコ町、喜茂別町、真狩村、北海道放送、北海道新聞社、毎日新聞北海道支社、朝日新聞北海道支社、読売新聞北海道支社、NHK札幌放送局、HTB北海道テレビ放送、札幌テレビ放送、テレビ北海道

●宿泊のご案内 いずれもニセコ町内の「オビラメの会」会員が経営するペンションです。フォーラムにご参加のみなさまは特別割引料金でご宿泊いただけます。

ペンション名 フォーラム料金(1泊2食) ご予約・お問い合わせ
ペンションさんぽみち 7000円 tel.0136-58-3280 /fax.58-2772
ペンションベラリー 6000円 tel.0136-58-2763 /fax.58-2142
ニセコツーリストホーム 5000円 tel/fax.0136-44-2517(ニセコい~な)