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date h4 2021/12/28
イトウの移植放流はやめましょう
尻別川の未来を考えるオビラメの会
北海道内の各地に生息しているイトウですが、生息する川ごとに集団のタイプが異なっているらしいことが、最近の研究で明らかになっています。たとえば、同じ「イトウ」という名前でも、尻別川に生息しているイトウと、猿払川に生息しているイトウでは、これまで数千~数万年にわたってずっと別々に世代交代を繰り返してきた結果、それぞれ独自の「進化」を遂げて、体の大きさや成熟する時期といった性質が異なる、個別の集団になっていると考えられるのです。
ところが、人の手による「移植放流」は、そうした川ごとのイトウの群れの個性を、いっぺんにごちゃまぜにしてしまう危険性があります。たとえば、猿払川で釣り上げたイトウを、生きたまま尻別川に運んで放流すると、尻別川のイトウの集団が、猿払川の集団の性質の影響を受けてしまいます。この影響は、取り返しがつきません。
尻別川の未来を考えるオビラメの会は、尻別川で数千~数万年かけてはぐくまれてきた、いわばオリジナルのイトウの集団の復元を目指して活動しています。他の河川からの移植放流は、オリジナル集団の復元を妨げます。他の河川から尻別川へのイトウの移植放流はやめましょう。
2006年9月5日
参考 日本魚類学会「生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン」