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date h4 2021/12/28
ジェットボートをはじめとするモーターボートの尻別川通行に反対します
私たち「尻別川の未来を考える オビラメの会」は、尻別川に生息する野生イトウ(サケ科イトウ属)を保護しようと活動を続けているNGOです。
イトウは、大きな個体で体長150センチ以上、体重40キログラム以上に達し、日本国内で最も大きく成長する淡水魚の一種ですが、近年は生息環境の破壊と乱獲などによって著しく個体数が減り、環境省は1999年、「絶滅危惧ⅠB」(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)のランクを与え、また北海道は2000年、「絶滅危機」(絶滅の危機に直面している種)と判定しました。私たち「オビラメの会」が保護活動を展開している尻別川は、その野生個体群の生息南限です。
しかし、私たちのこれまでの調査で、現在の尻別川には親魚がじょうずに繁殖行動を行える環境、生まれたばかりの稚魚が安心して育っていける環境がほとんど残っていないことが分かりました。このままでは個体群は絶滅し、生息南限はさらに北上してしまいます。
イトウの稚魚の棲息場所は、ニジマスやサクラマスなどほかのサケ科魚類とは全く異なります。水深がごく浅くて流れも非常に緩く、かつ水面を草などに覆われたような環境を好むのです。それはたとえば岸ぎわの浅瀬ですが、河岸に大きな波を打ち付けながら滑走するジェットボートなどエンジンつきボートが、こうした環境にすむ繊細な生き物たちに大きなダメージを与えることは間違いありません。
また尻別川には、ごく少数の成魚がかろうじて生き延びていける環境は残っていると考えられますが、けたたましい騒音を鳴り響かせて水上を走るジェットボートなどエンジンつきボートが、非常に警戒心の強い野生イトウの生活を脅かすことも大いに懸念されます。
いま、尻別川のイトウたちを保護するには、絶滅を加速する要因をこれ以上増やさず、またひとつずつ取り除いていくほかありません。私たちは「オビラメの会」は、イトウを脅かすジェットボートなどエンジンつきボートの尻別川通行に反対します。
2001年8月27日
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「ジェットボート問題」の経緯はこちら(「しりべつリバーネット」のサイトへ)