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date h4 2021/12/28
流域自治体共同条例案を目指して/尻別川における具体的ルールのご提案
1 尻別川イトウ保護宣言
イトウ(Hucho perryi)は環境庁(現環境省)の『汽水・淡水魚類レッドリスト』(一九九九)で絶滅危惧ⅠB、北海道の『北海道レッドリスト/北海道の絶滅のおそれのある野生生物リスト』(二〇〇〇)で絶滅危機種とされ、国際的にも最高度に保護されるべき種の一つである。尻別川はその生息南限であり、最優先で手だてを講じる必要がある。尻別川流域自治体と住民はその先頭に立つべく、ここに「尻別川イトウ保護」を宣言する。
2 尻別川イトウ保護管理計画の策定
流域自治体は上記宣言の目標を実現するべく総合的な尻別川イトウ保護管理計画を策定し、計画に基づいた尻別川イトウ保護管理対策を講じる。
3 尻別川管理機関
尻別川のイトウ個体群を絶滅の淵に追いつめている社会的要因は多岐にわたる。また尻別川における新たな形態の社会活動が、さらなる絶滅要因として追加される可能性も高い。そこで、こうした社会活動を、上記「尻別川イトウ保護宣言」や上記「尻別川イトウ保護管理計画」に基づき適切に管理するための機関(以下、管理機関)を設置する。
(管理機関の権限)
管理機関は、尻別川における社会活動をおこなおうとする団体(国や地方自治体を含む。以下同じ)または個人を活動内容ごとに登録する。管理機関は審査機能を有し、登録申請のあった活動内容を上記宣言または上記計画に照らして速やかに審査する。管理機関はその審査に際し、必要に応じて環境アセスメント(影響評価)等をおこなう。管理機関は、アセスメント等の経費を当該登録申請者に請求できる。管理機関は、上記宣言に照らして不適と結論した個人または団体に対して登録を拒否することができる。
管理機関は、その審査を上記宣言または上記計画に照らして公正におこなわなければならない。またその審査過程を公開しなければならない。管理機関は、審査結果の通告とともに、審査の推移について当該登録申請者に説明しなければならない。管理機関は、当該登録申請者からの異議申し立てを受けた際は、ただちに再審査をおこなわなければならない。管理機関は、自身機関に関する情報または職務上収集した情報(個人情報を除く)のすべてを開示し、恒常的に外部オンブズマンのチェックを受けなければならない。
4 尻別川における社会活動の登録義務
尻別川において社会活動をおこなう団体または個人は、上に定める管理機関に事前登録しなければならない。管理団体の審査に不服のある場合は、異議申し立てをすることができる。
上記「尻別川イトウ保護宣言」を尊重しながら尻別川における社会活動をおこなった団体または個人は、尻別川流域住民より、心からの尊敬の念を込めた拍手を贈られる。
用語解説 絶滅危惧ⅠB 「近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの」の意。 絶滅危機種 「絶滅の危機に直面している種」の意。 保護管理計画 北海道希少種保護条例(2001)を先取りしたもの。オビラメ復活30年計画はその骨格候補。 管理機関 国や自治体も「審査対象」なので独立機関がベスト。 社会活動 河川工事・河川敷工事・河畔林伐採といった公共事業はもちろん、取水・農地からの土壌流出・工場排水・排雪といった水質汚染につながる活動、釣り・狩猟・カヌー・ラフティング・ジェットボートなどレジャー利用(河川敷公園の散歩などは不要でしょうが)、またいっけん無害に見えて実は危険かも知れない活動として、植樹・魚の移植放流なども「審査対象」に想定しています。 オンブズマン 権力(この場合は「管理機関」)が腐敗・暴走していないか、チェックするための第三者組織のこと。 |