フォーラム「イトウ復活大会議」
2006/3/4、2017/10/16
当会にとって4年ぶりとなるイトウ保護のためのフォーラム「イトウ復活大会議」が2006年3月4日、カヌーイストの野田知佑さんを基調講演者に迎えて開かれました。来賓の佐藤隆一ニセコ町長をはじめ、熱心なイトウファンたちが集合。絶滅危機種を救うために何が出来るのか、熱心な議論が交わされました。(写真・鈴木芳房、まとめ・平田剛士=オビラメの会)
基調講演 野田知佑氏
1938年生まれ。カヌーイスト。早稲田大学英文学科卒業後、国内外を放浪。教師、雑誌記者を経て、「日本の川を旅する」で82年、第9回日本ノンフィクション賞新人賞を受賞。川遊びカヌーを提唱した日本のツーリングカヌーの先駆者。アラスカやモンゴルなど国内外の川を下ってアウトドアエッセイを書き、自然を破壊する国交省の無益なダム建設反対を訴え続けている。98年、一連の活動に対して、毎日スポーツ賞文化賞を受賞。主な著書に「のんびり行こうぜ」、「ユーコン漂流」、「カヌー犬・ガクの生涯」、「世界の川を旅する」、絵本「笹舟のカヌー」など。(写真提供・野田知佑事務所)
【開催主旨】
北海道・尻別川は「幻の巨大魚」イトウ(サケ科)の野生個体群が生息する南限の川です。しかし現在、イトウが自然繁殖している証拠はほとんど見つからず、個体群の絶滅が非常に心配されています。釣り人と市民、研究者たちでつくる当「尻別川の未来を考えるオビラメの会」は2001年、「オビラメ復活30年計画」を立てました。イトウたちが元気に暮らしていたかつての尻別川の再現を目指して、すでにモデル地区を設けて、尻別川産イトウ稚魚の放流とモニタリングをおこなうなど、「再導入」の実験を始めています。放流魚たちが成長して放流地点(尻別川支流上流部)にさかのぼってくるのは、早ければ2008年春。それまでに、途中にある堰堤の改修など、生息環境の復元を進めたいと考えています。社会の知恵と技術を結集して「尻別イトウ」復活を図るために、このフォーラムを開催します。
イトウ復活大会議 「尻別イトウ」再生を目指して
【開催日】2006年3月4日(土曜)午後1時~
【会場】ニセコ町民センターなど 地図はこちら
【入場料】無料
【主催】尻別川の未来を考えるオビラメの会
【特別協賛】地球環境基金
【お問い合わせ】オビラメの会事務局 電話・ファクス 0136-44-2472
プログラム
【ごあいさつ】草島清作・オビラメの会会長
【祝辞】佐藤隆一・ニセコ町長
【基調講演】「尻別イトウを幻の魚にするな」野田知佑氏
【対談】「草島清作vs野田知佑 川がたり」
【話題提供】「オビラメ再導入について」(江戸謙顕/文化庁)
「放流稚魚たち、元気です」(大光明宏武/酪農学園大学)
「イトウ稚魚のための人工カバー設置実験」(早坂洋介・久田博康/北海道工業大学)
「イトウ遡上のための落差工改修提案」(平田剛士/フリーランス記者)
【パネルディスカッション】「遡上イトウを迎えるためにいま、できること」
2月23日~3月3日、ニセコ郵便局ギャラリーにて。気鋭の自然カメラマン鈴木芳房、足立聡両氏による迫力の作品を多数展示します。入場無料。