オビラメ個体群復元のための第2回稚魚放流について
2005/6/25、2017/10/17
2005年6月25日、尻別川水系倶登山川で
撮影/足立聡氏(オビラメの会)
オビラメの会は2005年6月25日、第2回のオビラメ稚魚放流会をおこない、尻別川水系倶登山川流域の数カ所に尻別川産イトウ稚魚(1+)合わせて約1700匹を放流しました。ニセコ町立近藤小学校、同宮田小学校、倶知安町立東小学校の児童のみなさんはじめ、ご参加、ご協力いただいたみなさま、たいへんありがとうございました。
同日行なわれた3小学校のみなさんによる「オビラメ稚魚飼育研究発表会」の様子はこちら。
放流魚には、アブラビレ切除などの「標識」をほどこしてあります。尻別川で、もしそんな標識イトウを釣ったり見かけたりした方は、お手数ですがオビラメの会事務局(電話0136-44-2472、吉岡方)までご一報ください。
イトウ稚魚・幼魚の見分けかた
(オビラメ・レスキュー・カード)
尻別川産イトウ個体群(オビラメ)復元のための稚魚放流計画についてのお知らせ
各位
ひごろより「尻別川の未来を考える オビラメの会」の活動にご理解とご協力をいただき、たいへんありがとうございます。
当会は2001年に「オビラメ復活30年計画」をスタートさせ、尻別川で絶滅の危機に瀕しているイトウ(サケ科、絶滅危機種)の野生個体群の復活を目指しています。住民のみなさまや北海道立水産孵化場をはじめとする研究機関、ならびに行政機関・報道機関などのみなさまの多大なバックアップをいただきながら、昨年9月、初めて念願の尻別川産イトウの人工孵化稚魚を尻別川水系倶登山川流域に設定したモデル地区に放流することができました。この成果はマスコミでも大きく取り上げられ、地域のみならず全国のみなさまより祝福をいただいているところです。
当会は追跡調査を継続しており、昨年12月のモニタリングでは、数十匹の稚魚たちの生存が確認されました。今春もすでに魚影を確認しており、現在、より詳しいデータの収集にあたっています。
とはいえイトウ稚魚の放流による再導入には前例がなく、最適な放流時期を見極める必要があることから、当会は同じモデル地区などで引き続き放流実験を続けることにしています。関係機関のご指導とご協力のもと、きたる6月25日午前、2回目のイトウ稚魚放流を実施することを決定しました。
この放流会には、この4月から一部のイトウ稚魚の飼育を引き受けてくださっている倶知安町立東小学校、ニセコ町立宮田小学校、同近藤小学校の児童・教諭・保護者のみなさまもご参加いただく計画です。また、同日午後には、これら3校の児童のみなさまによる「イトウ稚魚飼育研究発表会」を開催します。
当会は、従来のように、放流後にも稚魚やほかの自然環境の変化を追跡するモニタリングを計画しています。さらにこの再導入事業の意義を広くお知らせするためのシンポジウムの開催を今秋中にも計画しています。
以上のような当会の活動に、今後いっそうのご理解とご支援を賜りますよう、会員一同、深くお願い申し上げます。
オビラメの会
2005年6月15日
- オビラメ復活30年計画
- 第1回オビラメ稚魚放流
- 絶滅危機種イトウについて
- 国際自然保護連合「再導入のためのガイドライン」(渡辺勝敏氏のサイトにリンクしています)
- 「生物多様性の保全をめざした魚類の放流ガイドライン」(日本魚類学会のサイト)
- 2004.9.25.オビラメ稚魚放流会報告
- オビラメ稚魚放流アセスメント
- 放流稚魚越冬環境調査報告(オビラメニューズレター21号)
- オビラメ稚魚飼育研究発表会のお知らせ
- 「オビラメの会」ご支援のお願い
稚魚放流にご参加いただけるみなさまへ(6月25日当日のスケジュール)
午前10時 尻別川本流「富士見橋」右岸駐車場に集合
午前10時30分 放流場所(尻別川支流倶登山川流域)に到着、放流
午前11時30分 昼食
正午ごろ 「富士見橋」帰着
ひきつづきニセコ町民センターで、地元小学校児童らによる「イトウ稚魚飼育研究発表会」と、オビラメの会2005年度通常総会を開きます。詳しくはこちら。
- 上記スケジュールは、諸般の事情により直前になって変更される可能性があります。
- イトウ放流地点の正確な位置は、当日「富士見橋」集合後にご説明します。放流地点でイトウ乱獲が起きる危険をできるだけ避けるための措置です。どうぞご理解ください。
- 付近の農家の方へのご迷惑を避けるため、放流地点には数台のクルマに乗り合って移動します。
- 雨具、ウェーダー、お弁当などはご持参ください。
- お問い合わせは放流前日までにこちらにお願いします。