倶知安町役場からの回答書

2004/1/19、2017/10/17

「尻別川の未来を考える オビラメの会」(会長・草島清作)は2003年11月20日、倶知安町役場、北海道後志支庁、北海道小樽土木現業所真狩出張所に、倶登山川復元に関する要望書を提出しました。
 2004年1月19日、倶知安町役場より下のような回答が届きました。


倶建設第5号
平成16年 1月13日

尻別川の未来を考える オビラメの会
会長 草島清作 様

倶知安町長 伊藤弘(印)

要望書の回答について

初春の候、貴職におかれましてはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平成15年11月20日付、要望のありました内容について、別紙のとおり回答いたします。

要望書回答

 イトウ(オビラメ)の生息環境について、倶登山川に対するご要望がありましたことにつきまして、次のとおり回答させていただきます。
 
 倶登山川の内、ポンクトサン川合流点から上流の町道北9線高見出雲線、北九線一号橋までの区間は、特に農地が隣接している区間で、過去に浸水等農地に対する被害が多く発生していたため、土地改良事業での改修を要望し、昭和44年から昭和50年(1969-1975)にかけて、小樽開発建設部により国営直轄明渠排水事業として改修した区間であり、延長は2,020m、現在は倶知安町の管理受託区間となっています。

 当時の主な事業内容:

(1) 延長 2,020.00m 敷巾 16.00m、1.39mの区間 1,800m
  敷巾 5.50m、推進1.31mの区間 220m
(2)コンクリートブロック敷設による護岸
  落差工4基(落差0.7-1.5m)

 管理受託区間内における、倶知安町が行う土地改良事業、或いは河川改修計画等については、今のところありませんが、町が管理する河川のうち、倶登山川上流、高見川護岸工事(L=200m)及びクトサン4号川護岸工事(L=30m)について、地先からの要望で町単独費での予算を要求しておりますが、予算化は難しい状況にあります。(布団篭による土留工を予定)
 町管理以外の河川につきましては、地域住民からの改修・改善要望が強く求められた場合には、国又は、道に要望していく可能性はあります。

1.倶登山川におけるオビラメの遡上・降下を阻害する堰堤工の落差解消
 現在、管理受託区間には4基の落差工がありますが、落差解消をするための町単独の事業計画はありません。

2.農地からの土砂流入防止対策
 当区間は、農地と川までの距離が近いため、土砂流入が生じるものと思われますが、現在の農地の利用状況としては、降雨等の自然状況による不可抗力によるものと推測します。目に余る状況が生じた場合には、地域関係者(土地所有者)との協議対策となります。
 事項3.の河畔林を整備したり、土砂溜め工の設置も有効な手段でありますが、町単独の事業としては、大変難しい状況です。

3.連続した河畔林の整備
 2.の回答と同様であります。

4.その他オビラメの復活に必要な対策
 現状で特に必要な対策としては考えていませんが、オビラメに限らず生物の生態・生息環境等に考慮した対策につきましては、今後河川改修等工事を伴う事業を行なう場合、「環境との調和に配慮した事業実施」を基本として行っていくとの考えであります。

5.倶登山川に限らず、尻別川流域全域におけるオビラメの会との連携体制の確立
貴会のみならず、流域で生活する人達の意見を必要に応じ、今後とも伺って参りたいと存じます。その際は、情報等の提供を宜しくお願いいたします。

関連のページ:オビラメ復活30年計画「重点河川」復活プランをつくろう!

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