北海道小樽土木現業所からの回答書
2004/6/1、2017/10/17
「尻別川の未来を考える オビラメの会」(会長・草島清作)は2003年11月20日、倶知安町役場、北海道後志支庁、北海道小樽土木現業所真狩出張所に、倶登山川復元に関する要望書を提出しました。
2004年6月1日、北海道小樽土木現業所より下のような回答(2004年3月18日付)が届きました。
要望書回答
ご要望がありました倶登山川の上流区域は沿川に耕地がはりついており、融雪や降雨による出水による被害が生じています。特に町道北9線高見出雲線の北九線一号橋から上流は、一部災害復旧工事等により護岸工が施されていますが、蛇行し自然河川に近い状態のため、頻繁に被害を受けており、倶知安町を通じ地元住民の方々から治水対策を強く求められています。
小樽土木現業所としては、河道に堆積した砂利を撤去するなど応急的な対策を行っていますが、根本的な対策が必要と判断し平成5年度から河川改修計画調査を始め、地元の方々や倶知安町・北海道建設部河川課と協議を重ね、北海道の単独事業による改修工事を行うこととしました。
本年度は具体的な改修計画を策定する作業を行っていますが、今後説明会を開催し地元住民の方々の同意を得て、早急に工事に着手したいと考えています。
つきましては、現在の状況を踏まえ、ご要望に対して次のとおり回答させていただきます。
1.倶登山川におけるオビラメの遡上・降下を阻害する堰堤工の落差解消。
倶登山川に設置されている堰堤工(落差工)の落差解消については、地元や地域の意見を聞きながら、現地状況や稼働計画を考慮した上で検討して行きたいと考えます。
2.農地からの土砂流入防止対策
農地から河川への土砂の流出に対しては、農地管理者による流出抑制対策が重要と考えられます。
河川管理者としても、可能な範囲で河畔林を存置し、河川への土砂流入の緩和に努めたいと考えます。
3.連続した河畔林の整備。
倶登山川において、過年度に工事を行った区間等では、市街地や耕地が沿川にはりついており、連続した河畔林は形成されていません。
連続した河畔林の整備を行おうとした場合、市街地においては沿川に住む方々の多数の住居移転が生じる一方で、耕地においては農家の方々から農地を提供していただかねばならず、耕作地の減少による営農への圧迫の問題が生じること等、いずれも社会的影響が大きいことが明らかです。
しかし、これから工事を行う区間では、十分な治水安全度を確保し、地域の方々のご協力をいただける範囲内で、河畔林の存置に努めたいと考えます。
4.その他オビラメの復活に必要な対策。
具体的な要望を示して頂いた上で、回答したいと考えます。
5.倶登山川に限らず、尻別川流域全体におけるオビラメの会との連携体制の確立。
尻別川流域の河川整備に係るご意見につきましては、各事業主体へ個別に対応していただくとともに、現在、河川管理者である小樽開発建設部と小樽土木現業所が共に進めている「尻別川河川整備計画」の策定過程で、流域市町村の住民の方々や学歴経験者の方などから意見を聞くこととなりますので、その機会を活用してご意見をいただきたいと考えます。
平成16年3月18日
小樽土木現業所長 阿部 志郎
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