重点河川復活プラン 倶登山川の環境復元を要望

2003/11/20、2017/10/17

「尻別川の未来を考える オビラメの会」(会長・草島清作)は2003年11月20日、倶知安町役場、北海道後志支庁、北海道小樽土木現業所真狩出張所に、倶登山川復元に関する要望書を提出しました。


要望書

2003年11月20日

尻別川の未来を考える オビラメの会
会長 草島清作(北海道虻田郡倶知安町南3条東4丁目)
事務局 吉岡俊彦
北海道虻田郡ニセコ町富士見65 電話/ファクス 0136-44-2472

 日頃から「尻別川の未来を考える オビラメの会」の活動にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。当会は絶滅危機種イトウの生息南限といわれる尻別川流域で、尻別川産イトウ(オビラメ)個体群の復活を目指して活動している市民グループです。

 当会では平成13年から「オビラメ復活30年計画」と題した長期計画を立て、様々な活動を行なってまいりました。北海道立水産孵化場の全面的な協力を得て、幸運にも今春、待望のオビラメ稚魚の人工孵化に成功しました。僅か数十匹ではありますが、尻別川の未来を担う貴重な財産として、会員のみならず全世界の期待を背負って日々逞しく成長しております。来春にはさらに、1万粒以上の卵が確保される予定ですが、当会には、それらすべてを飼育できる資金的・空間的余裕がありません。そこで、来秋から毎年、確保した稚魚を尻別川へ還し、1日も早い野生オビラメの復活を目指すことにいたしました。

 しかしながら、現在の尻別川には稚魚が安全に生息出来る環境も、親魚となって産卵に還ってくる環境も完全には残されておりません。そのため、我々は平成13年に行なった尻別川総点検の結果を踏まえ、いくつかの重点河川を選定し、現地視察ならびに勉強会を行ないました。その結果、現段階では倶登山川(倶知安町)がオビラメ稚魚放流河川として最適であるとの結論に達しました(別紙参照)。

 「尻別川の未来を考える オビラメの会」はオビラメ復活のために、以下の点について要望いたします。誠に恐縮ではありますが、各要望事項についての具体的な回答をお願い致します。オビラメが海と山とを自由に行き来できる、豊かな尻別川の実現のために、今後とも当会の活動にご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


倶登山川におけるオビラメの遡上・降下を阻害する堰堤工の落差解消。

農地からの土砂流入防止対策。

連続した河畔林の整備。

その他オビラメ復活に必要な対策。

倶登山川に限らず、尻別川流域全域におけるオビラメの会との連携体制の確立。(今後、尻別川流域において河川周辺での工事を行なう場合は、工事の計画段階から「オビラメの会」と協議いただき、オビラメ生息を脅かさない設計・施工をお願いします。また、工事業者に対して十分な指導を行なうとともに、オビラメの会会員が工事に立ち会えるよう、便宜を図っていただければと存じます)


表.オビラメ復活条件と重点河川の状況(倶登山川)
条件 内容 判定 備考
稚魚が生息できる環境がある。 河岸を覆うカバーがある。 ササや草に覆われている。
  浅くて流れのほとんどないワンド状の場所がある。  
親魚が産卵できる環境がある。 瀬と淵の分化が明瞭で平瀬がある(上流すぎず下流すぎず)  
  浮き石状のレキがある(レキの間に泥が堆積していない) 農地からと思われる泥が堆積している。
  レキ径が3cm前後である。 大小さまざまあり。
上下流に自由に行き来できる。 遡上降下を阻害するものがない。 × 堰堤(土木現業所)が3基ある。
河畔林が発達している。 両岸に連続した河畔林がある。 農地と接する部分には河畔林がない。
総合評価(5段階)   堰堤と泥の問題を解決できれば、稚魚放流河川として有効。

関連のページ:オビラメ復活30年計画「重点河川」復活プランをつくろう!

北海道後志支庁からの回答書倶知安町役場からの回答小樽土現からの回答